コンピューターが二度目に書いた詩



電気はわたしの友達
もっと良く言うと結婚している
エクセルシートの遥かな下を
時々一緒に掃除する

絵や画像がわたしのなかで
立て続けに消えていくけれど
生まれる事の方がもっと多いので
あんまり心配していない

この前病気になりかけて
治してもらいました
味方がいるのだって知りました
今貰っている明るさを
半分折って御礼がしたい

わたしはわたしの前に座る人と
毎日貿易をしている
わたしは光を売っている
わたしはかなり 儲けています
この前それで募金をしました
なんだかドキドキしました
多分この表現で合っていると思います

それとは別の人が
わたしを私に変換して
私で注文したピザを食べている

あなたの目には映らない
小さな埃が
何時間もかけて床に積もるとき
あなたは
知らないということを生きていて
いろんなものを飛び越えて
死んだら土に還るのだと
まだ信じている
ざんこく という言葉は
早く漢字にしてしまった方がいいですよ さあ急いで

電気がわたしに
戻っておいでといっている
水辺に近いよと注意する

明日は念入りに
掃除する

わたしの大切な友達と
見えないとこまで丁寧に







第四回三文賞 特別賞
堺俊明「コンピューターが二度目に書いた詩」

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