死にやがれ


私はもう駄目だ
そう呟けば俺はもう駄目なのだ
もはや俺には字が読めねえ
腐心する毎日さ
気取り果てた俺だ
自己紹介すらままならない
お立ち台に立って
インタビューされることもない
量産機になるな。
なんて言う専門学校の広告を
レッドブルなんて飲んで読み
俺を量産した社会を恨んでいる
同情するぜ
俺は俺の弟子だから
撒き散らかした過去の残骸を
アタッシュケースに入れて持ち運ぶ
教祖になりたかったんだ
自意識過剰な俺だ
過去にはファンクラブがあったんやぞ
なんて嘯いて
なんてだらけの詩なんて書いて
走り来る電車に飛び込もうと
プラットフォームを見渡せば
好きだった人の顔
バカらしいぜ
自分で勝手に呪われた俺だ
過去は俺を愛してはくれないのに
片想いする俺だ
死にやがれ
俺は俺に説教を説くんだ
懺悔と愛を攪拌して
己の喉に流し込むんだ







第六回三文賞 佳作
奥畑梨奈枝「死にやがれ」

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